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逆効果 [か行]

次のニュースにびっくらこいた。

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海外経験は漏えいリスク 秘密保護法で内調

 海外で学んだ経験や働いた経験があると、国家機密を漏らす恐れが高まる―。10日施行の特定秘密保護法の制定過程で、同法を所管する内閣情報調査室(内調)がこうした考えを関係省庁に示し、学歴や職歴の調査が必要と強調していたことが7日、共同通信の情報公開請求で開示された政府文書で分かった。

 文書は内調が2011年11月、内閣法制局との会合で示したメモ。

 海外の学校や国内の外国人学校で教育を受けた経験、外国企業での勤務経験も挙げ「外国への特別な感情を醸成させる契機となる」「外国から働き掛けを受け、感化されやすい。秘密を自発的に漏えいする恐れが存在する」としている。
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これ、本気?
どんな裏が隠されているのか。

国家の中枢に居る官僚も、
エリートたちは一年やそこらハーバードだかに留学させてもらったりして、
海外の見聞を培うことも珍しくないはずでは。彼らもスパイ視するのか?

で、海外の教育機関や研究機関が合わずに、さっぱり使い物にならなくて帰ってくるか、
あるいは、海外でがっつり学んで学位やら技術やらを会得して戻ってくるかで、
大抵、海外を敵視する人は、海外生活が合わなかったり、
第一外国語が苦手とか、その手の案外、シンプルな理由なのだが、
個人が海外を毛嫌いする権利はいくらでもあれど、
国家が海外を嫌って敵視していては、お話にならない。

海外経験組と、国内派で、派閥争いでもやってるのか?
そもそも《国家機密》を知りうる海外経験者って、
おのずと海外赴任経験のある官僚(大使)とか、外交官とかに限られないか?
その良くわかんない派閥争いのせいで、無関係の多く、優秀な人材までが、
とばっちりを受ける法律が出来るのは勘弁。

要するに、国家がなんかお前気に入らないな、と思った時に、
お、海外経験あるじゃんか、と突っついて、
海外生活を理由にしょっぴける、ってことになってきますよね?
フルシチョフ政権か!
思想が合わないと、シベリア送りにするんですかね!?

国家的な接待をも受けうる、イチロー選手とか、スケートの羽生選手とか、
彼らもスパイ視してチェックすると?

日本の職場の待遇に不満をいだいて、
中村教授のように頭脳と技術とともに、出て行っちゃうパターンもけっこう見られるが、
有能な人にとって魅力的な環境を提供できないからといって、
スパイ視するのは本末転倒ぶりが甚だしい。
そんなこといってると頭脳はどんどん情報とともに流出しちゃうし、
なぜ有能な頭脳が海外に流出するか、その体質を見直して、対策を講ずるべきだろう。

また海外の過激派に与しやすい安直な人とは、
世界を知らない、特定の思想や哲学を持っていない人たち、
いわゆるノンポリ温室育ちのほうが、免疫がないゆえに洗脳されやすい。
案外、容易に感化されやすい傾向を、無視すべきでないのを、ご存じないのか。

国内に居たままでも海外と接することは可能な現代で、
《純粋培養》で育てられた、抵抗力ゼロの脆く軟弱な世界観では、
世界を相手にしたときに、容易に毒される。
赤子の手を捻るように籠絡されうるのに。

海外に対する抵抗力を高めていくためには、
海外で鍛えられている人員こそを登用すべきなのに。
適材適所がある。

過激派組織IS:アイエスや北朝鮮に対する過剰防衛反応なのかなあと、考えてはみるのだが、
海外駐在経験や、海外留学経験を尺度にして、
スパイや危険因子に目星をつけているようでは、
肝心なスパイや危険因子を見逃すことになりかねない。

海外経験者は、海外の良さも、日本の悪さも、
口に出そうと出さなかろうとある程度、身に染みていますが、
同時に海外の悪さも、日本の良さも、一般の一定以上にはリアルに分かっていたりします。

スパイ活動をしたり、情報漏えいに至る、
現在いる状況や所属する組織、国家を裏切るという人は、
現時点の自分の環境に、強い不満を抱いて、ストレスをためている人なんです。
スパイを徴募するスパイマニュアル的な文献を漁ると、このポイントが明確に見えてくるものです。

ストレスのない人などいない。
しかし人間、保身を考えますから、
どんなにストレスをためていても、
自分の存在価値を正しく認めてもらえる環境にあるならば、
人は簡単に裏切り行為に出られないものです。

むしろ自分の立場を顧みず、
裏切り行為に出ても構わないほどに困窮したり、ストレスが蓄積していないかどうか。
追い詰められていないか。
そのストレスリスクの尺度を明確に見極める戦略が練れないかぎり、
不審か否かを海外経験で線引きしても、
的外れな軋轢ばかりを生むだけなのではと思います。

海外経験は運転手の車輪であって、
高濃度に圧縮されたストレスという特殊燃料がないかぎり、暴走しないとしたら、
車輪のある車を軒並み検問チしても無駄で、
燃料をチェックすべきなんです。
暴走するのは車輪のある車ばかりとはかぎらない、
たとえば船の場合だってあるのです。

この良くわかんないニュースを流して、
なにか重要な意図が透けぬように、煙幕でも張っているのだろうか。
真に受けて良いのかどうかすら、悩みます。