So-net無料ブログ作成
検索選択

ガシックでサナトーリアム [か行]

そういえば先日、友人の結婚式でカリフォルニア(LAエリア)に行ったとき、リハーサルディナーで結構いろんな人と話す機会がありました。

どんな小説を書いているの? と聞かれてまずサイ・ファイ(Sci Fi)と答えると、
ゴジラ? もすら? ジャパニーズのSFとくれば巨大モンスター!
という陽気なリアクションをされがちなので
「ゴシック小説です」
と答えると一瞬、……?
という間があいたのち、オォー! ガシック!
そうです、ゴシックじゃなくてガシックと読むのでしたね。ゴッドをガッドと発音するのと同じっすね。
「黒いレインコート着たひとが出てくるような話のことでしょ?」
「そうです」
「で、出てくる? 黒いコートを着た人よ」
「はい。出ます」

まだまだ聞かれます。
「どんなタイトルなの」
「えぇと、英訳するとブラック・クロス・サナトリウムでー」
ぬ?
という軽い混乱がよぎるので、サナトリウムという語があんまり馴染みじゃないのかなと(実際あんまり馴染みじゃない)「Sanatoriumというか、まあAsylumというか」
サナトリウムより、もうちょっとすさんだイメージの語に言い換えると、あ、わかった、とみんなの顔が一瞬曇ったあと、
「オォ、それってサナトーリアムね」 
あ、はい。サナトーリアムです。サナトリウムとかいってごめんなさい。

んで、ここからアメリカ人のリアクションが良すぎです。
ワーオ。不気味。不気味ー、不気味ー、ひょっとして、もしかすると宗教的でしょ。うわー。
タイトルを言っただけで、Creepy! という言葉を多発されます。んでこれ、リアクションとして大いにあっていて、感触が良すぎなためにむしろ面食らう私。ちなみにそこは教会です。友人が教会員で、周囲の人もまあもれなくそうなんです。黒き十字架……黒十字と言うだけでためらいがちだった私は、いや……あのいくらか哲学的かもしれないですが。

こわーい、
と、ウキウキされたり、やばそうって顔を露骨にされたりするので、「いや、でも待って! 美しい話なんです」
と、自分で言う羽目に。
「そうよね、そうでしょうとも、ガシックだから美しいでしょう。英語に翻訳されてるの?」
「いえ、今の所そんな話は全くありません」
「されたらいいのに」
「I hope so!」 ……だといいんだけど! と、やけっぱちに答える私。

「何ページあるの?」
「382p!」

力強く答えたのですが、あとで帰国して念のために確かめたら『黒十字サナトリウム
364pでした。
トラックバック(0) 
共通テーマ:

吸血鬼の頭蓋骨発掘事件 [か行]

こういうニュースを見ると、まあ当然ちょびっとテンション上がります。
ニュースはこちら。
=================
イタリアで「吸血鬼」の頭蓋骨、見つかる

 [ローマ  12日 ロイター] イタリアの研究グループが、ベネチアで女性の「吸血鬼」の頭蓋(ずがい)骨を発見したことが明らかになった。骨が見つかったのは16世紀に流行した疫病の犠牲者らを埋めたラッザレット・ヌオーボ島の集団墓地。
 この頭蓋骨の口の部分にはれんがが挟まれており、当時「吸血鬼」と疑われた遺体に対して施される行為と考えられている。

拡大写真
http://ca.c.yimg.jp/news/20090313145432/img.news.yahoo.co.jp/images/20090313/reu/20090313-00000730-reu-int-view-000.jpg

 発掘調査をしたフィレンツェ大学の法医考古学者マッテオ・ボリニ氏は、この発見により、中世では疫病流行の背後には吸血鬼がいると信じられていたことが裏付けられたとしている。
 ボリニ氏は、ロイターの電話インタビューで「考古学の発掘調査で吸血鬼に対する悪魔払いの儀式が明らかになったのは、今回が初めてだ。吸血鬼伝説がどのように生まれたのか知る手がかりにもなるのではないか」と話した。
=================

このニュースはまずタイトル勝ち、ですね。
吸血鬼と認識された頭蓋骨、というところを「吸血鬼」の頭蓋骨!!と銘打ったところがキャッチー。
「吸血鬼」とカッコ付けにしてあるところが、心憎いではないの。

ヴェネチアは北イタリアで、同じお国のローマよりも、オーストリアやスロベニアのほうが近い。やはり発想が東欧がかっています。「ヘタリア」でもベネチアーノとロマーノの性格が全然違って、ベネチアーノはオーストリアさんの召使・小姓をやってハンガリーさんと暮らしてたりしていましたね。

さて、集団墓地と記されているラッザレット・ヌオーボ島ですが、このちっさい島は、もとは伝染病の隔離地域。疫病患者を船で運んで、死んだらそこで埋めた。ゆえに疫病犠牲者の集団墓地という、口をぬぐったような言い振りをされるわけだ(……「黒十字サナトリウム」の四章と六章を読んだ方はお見通しかと思うけど……笑)。

ロイターの英語の原文を読んでみると、はっきりと、「黒死病患者のサナトリウムであったラッザレット・ヌオーボ島はベニスから北東3キロ(2マイル)に位置する」と記されています。

日本語訳のニュースだと、写真が一枚しか載っていないのだが、ロイター原文にはこの写真もついていて、集団墓地発掘現場をよくあらわしています。

http://www.reuters.com/resources/r/?m=02&d=20090312&t=2&i=8616547&w

さてここで混同しがちなのが「吸血鬼=黒死病を具現化した、疫病の象徴」みたいな認識だが、疫病とくにペストは、白い服に白髪で骸骨顔の老婆の仕業、とかいうのがもっぱら。白い悪魔のもたらした黒死病の犠牲者は、吸血鬼になるのではと、んでその吸血鬼により被害が広がるのではと恐れられたりしたわけなので、「黒死病≠吸血鬼」です。

トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

Canone Inverso [か行]

『カノン・インベルソ』2000年イタリア映画。*1
音楽はエンニオ・モリコーネ。
原作はイタリア生まれの作家が書いた小説らしい。未読。*2
物語の舞台は、チェコのプラハ。*3
役者はほとんどイギリス人。ガブリエル・バーン、ハンス・マセソンなど。ヒロインはフランス人らしい。
言語は英語。英語タイトルはMaking Loveっていう陳腐なのになっている。

イタリアの賞を数々獲っているみたいだけど、国際ぶりが激しいので、誰が見るんだ、ということになったのかおそらく興業的には失敗だったのだ。なにしろ日本に映画が来るはおろか、アメリカをはじめどこのアマゾンでも、アマゾンUKでもとにかくDVDが手に入らない。無い! 公開当時はいざしらず、少なくとも今は無い。

私は「チューブ・テイルス」でハンス・マセソンを見て、おっ!となってから、この映画をずっともうやみくもに探し回っていた。で、アメリカのamazon.comのマーケットプレイスに、一枚DVDが出たのだ。ロシア版の。

即購入。

海賊版とかでない、ロシア市場にきちんと出回っていたれっきとしたリージョン5のDVD。(ボーナストラックに入っている予告も全部ロシア映画)。売り手は在米ロシア人を見込んで売り出したみたいだった。それを日本から私が即ゲットしたわけだが、当然パッケージも全部ロシア語。再生メニューもロシア語。「PLAY」がNPOCMOTP……かそれに限りなくちかいアルファベットで、ああもうわかりっこねーや、となり、メニューで言語設定を選ぶまでに至らず。もともと英語の映画なので、始まればわかるはず。

と思ってとにかく再生したら、吹き替えの階層だったらしく、ロシア語で始まりました。
始まっちゃったのでとりあえず見始めた。

そしたら驚きなのが、ロシアの吹き替えというのは、弁士なのです。
一人の人がずーっといろんな人の台詞を吹き替えて喋りまくるのです。
女性すらも、モブとかだと男の声でやっちゃいます。一緒くたがすぎる。
会話を延々一人の男が途切れなしでしゃべるわけで、もう誰が話してるかわからないや。

と、ならないためにこれまた驚きなのが、オリジナルの台詞が消されていない。吹き替えなのに。映画なのに。
ちょうど、世界びっくりニュースみたいな番組で、もとのオリジナル言語のインタビューに日本語をかぶせる、あれです。映画なのにですよ。二度言いますが。
でも、そうしてくれないと、一人の人が喋り続けるので、キャラ分けもへったくれも無い。青年も老人も貴族も貧乏音楽学生も教師もパトロンも、みんなひとりのおっさんが喋るのですから。

女性も一人です。憧れのヒロインも、貧しく美しく若くして死んだ愛すべき母親も、親友の母君……金持ちでプライドの高そうな貴婦人も、その使用人も、全部ひとりの女性がふきかえています。

日本昔話状態ですよ!
市原悦子と常田富士男が全部やっちゃうあれ。

これはこれでありだな、と思えなくもない。英語の階層を無事探し当てて、見終えた今だから言えるけど、けっこういいかも。なまじへたくそな吹き替えよりは、オリジナルの台詞がちらっと聞こえるとなんか安心。でもこれでは、ちゃんとした声優は育たなかろうと、余計な心配をしちゃいます。

アメリカでポケモンを見たときも思ったが、あれはひどい(へたくそ)。
でも、アメリカのピクサーアニメや、ディズニーは素晴らしい。全部役者がやっていますものね。
いっぽう日本の声優はすごい。
声優技術に特化したプロがいるんだから、役者をアニメのアテレコに起用する意味は無いよね、と私は常々思っています。その役者が、すっごいこの声を演じたいんだ、というのなら判るけれど、そうでなくズラっと役者を起用するのって、私は常々、解せません。

一昔前のジブリアニメ……ナウシカとかラピュタとかトトロとか魔女の宅急便とかのほうが、最近のより、すんなり話に入っていけたと思うのは、私の年齢云々を差し引いても、宮崎アニメが声優を使っていたからだと。

役者声って、アニメだとすごーく聞き取りにくい。いくら口と動きがあっていても、ちゃんと読唇できるわけじゃない、なにしろ絵が喋ってるわけだから。日常から聞き間違いが半端ないわたしとしては。ん? いまなんて言った? ……の連続。
私だけかなあ、と思っていたら、友人も曰く、なーんかいまいち素人くさくて聞き取りづらくなかった?

かといい、聞き取りやすくても声に抑揚が無くて飽きる。
たぶん、アニメの脱オタク化を図るがゆえなんだろうけど、そういうマーケティング戦略は、まず作品の質が整ってからにしてほしいわけです。

実写は、むしろ私はまず役者にふきかえてもらいたいです。声優だとわざとらしすぎやしませんか。ひどいぞ、このオーバーアクション的アテレコは。そんなふうに派手に息切れしてないぞ。江守徹つれてきてよ、あのひとのレッド・バトラーはすごいんだから。
で、アニメは、やっぱり声優に演じてもらいたい。
それが一番素敵で妥当じゃなかろうか、と。

ちなみに映画Canone Inversoは、ヒロインが妖精のように美しく可憐で見とれちゃうのだが、演技がびっくりするほどへたっぴで、彼女と居るとまわり全部が茶番に見えちゃうこととか、役者のヴァイオリン演奏の真似がちょっと気になる、ってことを除けば「〇」
オリジナルタイトル『Canone Inverso=反行カノン・逆行カノン』は、頭から弾いても逆さから弾いても同じ曲になる回文みたいなカノンの意(BパートがAパートの逆さで、連弾して一つの曲になる、とかだったかな)。*4

家に伝わる独自の子守唄だと思っていたら、腹ちがいの兄弟が一緒に弾いて完全な一曲に仕上がるのだ。作中では。

貧しい主人公の出生とその好みの音調、音楽学校で出会った金持ち親友David(実は半分兄弟)とのやりとりとか、ユダヤ人がらみのエピソードが、佐藤亜紀(敬称略)作『天使』のジェルジュとダーフィットを彷彿とさせます。

=====
追記
*1:カノーネ・インベルソって読むのかも。

*2:日本語訳『狂った旋律』で出ているらしい。アマゾンよ、Canone Inversoで調べたら『狂った旋律』も提示してくれると便利なのに。いつもピントのずれた類似商品ばっかりで――。

*3:原作小説とは舞台設定が微妙に違うっぽい。

*4:カノンに関するリンク貼りました。このサイトの説明わかりやすい。

下記はYoutube。Youtubeってほんとになんでもあるなあ。




トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

小谷真理氏 [か行]

評論家の小谷真理氏が、わたくしの「黒十字サナトリウム」を新聞で“目利きが選ぶ今週の3冊”の最後の一冊に挙げてくださいました。
基本はピーター・ラストスというオーストラリアの作家の長編について取り上げていて、私の作品に関しては最後の数行ですが、嬉しいです。日付は10月22日の日経新聞夕刊です。

さて、こういうのって作者はどう知るかというと、偶然で、です。
たまたま見っけた、のです。
あの小谷真理が! (←驚きのあまり呼び捨て。)私の話、読んだの!!
と、しみじみする反面、気付かなけりゃ一生知らなかったのか……とちょっとびっくり。
まあだから一週間以上前の新聞記事について今頃書いているわけなのです。
身内も日経新聞とってるのに気付いてない。そんなもんです。

小谷真理氏について私が知っていることというと、NHKアニメ夜話のガンダム特集で、じゃあ貴方はどのキャラが好きなのさ、と迫られ、うーんそうですねえーとずいぶん言い渋った挙句「シャア」と答えられた。その後の饒舌たるやシャア・アズナブルがすごい好きなのがありありと伝わり、今考えたんじゃなく、もうずっとシャアが好きだったのがわかるので、なんで即答しなかったんだろうか、かわいらしい方だ、と。そういう記憶がございます。

わたしはケロロ軍曹からガンダムを知ってるレベル。ですが、シャア・アズナブルが超絶貴公子で、愚民どもとか言いつつ、黒髪のララァに、紳士的にやさしい。妹のセイラとは立場上敵対してるけど思いやりは双方にちゃんとあることとかは常識として踏まえております。そのシャアたる人物設定とキャラ造形について、たしか小谷氏は(もううるおぼえなんだけど)「彼は一種の様式美だ。吸血鬼とかと同様の」という発言をされていたのが印象的だったのでした。

日本SF新人賞授賞式の二次会パーティでお見受けしたのですが、テレビ等の媒体で見知ってる人って、一瞬、頭が(あ、会ったことある!)と、勘違いしちゃうのです。私は遠くからまるで知人のように小谷氏に会釈しちまったのでした。なにやってんの。

で、小谷氏はおののいたように私を遠目で怪訝そうに流し見て、周囲の方々との談話を続けられるのでありました(笑)



トラックバック(0) 
共通テーマ:

鬼来迎 [か行]

山岸涼子の漫画。

すっごい怖い話を読みたいんだよ、と友人にお願いしたことがある。
たいてい怖いとかグロいとか言われていても、私は全然こたえず「なるほどね~」って感じなのだ。
すると友人が持ってきてくれた山岸涼子の漫画は「もうーいいかげんにしてってば!」と怒りたくなるくらい怖かった。
『汐の声』という短編で、『私の人形は良い人形』という文庫サイズの漫画に入っていて、前半はたいしたことない。
ベルトのシーンも「あーみえみえ。わかってたし。この程度か」って感じだったのだけど……。

同様のテーマの短編で『鬼来迎』も骨髄まで恐ろしいのだが、
「娘を8年監禁19歳で保護」の札幌の事件で、思い出したのでした。

(事件の記事)
http://mainichi.jp/select/today/archive/news/2008/10/30/20081030k0000m040140000c.html






トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

かもしれない運転 [か行]

運転免許の更新に行ってきた。
初回運転免許の更新は2時間講習必須なのですね。最近はー。
いいことだと思いますよ。めんどうだけどね!
わたくし、アメリカで運転免許をとって、日本で書き換えたので、(筆記試験とドライビングの試験を、試験場で受ける。書き換え用試験なので簡易試験だけど、けっこう煩雑)
初回運転免許っつうのにあてはまり、行ってまいりました。
日本で教習を受けていないので、実はけっこうためになる教習ではありました。

が、なんかあの、交通事故を起こすと一生重荷になる罪を背負う、というエピソードのビデオをみっちり見させられるのはいただけない。
旦那が人身事故を起こし、その場の状況と恐怖でひき逃げしてしまい、人が死に、自首して、交通刑務所服役中に、奥さんは民事訴訟の借金返済に負われ、疲れ果て、自殺する。残された子供はかろうじて力強く生きてはいくというやつなんだけど、そのためにだからみなさん保険に入っておきなさいね、みたいな大事なことは言わないし(アメリカではそこんとこものすごく叩き込まれる。誰彼となく。)
それならもっともっと、こういうケースのこういう不注意でこういう事故につながった、という恐ろしい事故例の映像をいくつも見させられるほうが、こたえるし、いいと思ったのですが。そういうのも確かに見るんですが、ドラマ仕立てよりそっちだけでいい。でもそういうのってやりすぎるとデリケートな人は気持ち悪くなっちゃったりするのかしら。
里見浩太郎その他ちゃんとした俳優がやってはいるんだけど、それでもきびしい中途半端なドラマ仕立てとか、遺族の人の手紙とか(ミカはこれから就職して、恋をして、結婚して、子供を産んで、すばらしい人生を送ったはずなのに……)
リアルな事故映像や悲惨な結果より、そっちのが私にはずぅっと気分が悪かったです。いろんな意味で。

で、二時間教習でカバーできなかった分は自分で読んでね、ってしおりとか冊子とかいろいろもらうんだけど、そこに「かもしれない運転」を発見! 「かもしれない運転でいけ」という『銀魂』のタイトルを見たときは、この教習所ネタ、妙にリアル感あっておまけに良くできたタイトルだわーとは思ったんだけど、まさか本当に「かもしれない運転」とか「だろう運転」とかいう用語が載っているとは知らなかったー。





トラックバック(2)