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Yahooメールが受信できない [ニュース]

私はもう17~18年近くホットメールを使っているんですが……(あ、今でいうOutlook)
最近、Yahooメールを受信できません。

おかしい……と思いたち、自分でせっせとYahooメールのアカウントをこしらえて、
何度も送信チャレンジしてみたが、いっこうに着信しない。
Yahoo側の問題かと思い、別のアドレスに送信してみたところ、そちらは問題ない。
これHotmail=Outlook側の問題だ。

一次的な不具合なのか、恒久的な互換性の問題なのかさっぱりわからないが、不便だ!
最近のやたら重いしな! 

とはいえ20年弱にもわたり使ってきたホットメールなので、
今更、そう簡単にメアドを変更できない……。

という仕儀ですので、
Yahooメールからホットメールアドレスあてにメールを下さるかたは、
お手数ですが、別の連絡手段でお願いします。



共通テーマ:パソコン・インターネット

自分で一から英訳していつか出そう [ニュース]

『カンパニュラの銀翼』英訳版、Silver Wings of the Campanula,
出なくなりました。
これについては経緯等、きちんと詳細をこのブログにアップするつもりです。
実は何度も試みてはいる。
ただどうしても特定の誰かや何かを糾弾、責め、咎める文面にならざるを得ない。
また現在進行形で、きちんとした回答と対処を先方から得られていない部分もあり、
状況を正確に説明しようとすればするほど、難しい。

他の作家はやらないことであれ、
私自身は時間と労力をみっちり費やし、英訳チェックしてきていた分、
いろいろを思い起こすだけで、余りにもストレスフル。

体調にも仕事にも悪影響が出そうなので、ついついブログアップが後回しになってしまっています。
とても残念なのは無論、許しがたく怒りがこみ上げてくるのが、おさまってきたら書こう……と。
でないと読むほうも、読み心地が悪いだろうし。
そう思っているが、いつになるやら。

ぼちぼち折を見て、具合が悪くならない範囲で、冷静かつ淡々と書ける範囲で、
合間合間にブログにアップできたらな、と思っています……。

私ってば精神はわりと壊れない鋼のロックな魂っぽいのですが、
精神がストレスを受けると、
肉体のほうが覿面(てきめん)にダメージを受けてガタガタ壊れてくるっぽい。
そっか、だからロックやパンクよりもゴシックに共鳴しがちなのか。

以前、NYに旅行したときだった、クリスマス・イルミネーションでにぎやかしいけど、
寒くてたまらん夜の街並みを歩きながら、
「だって呪(のろ)いは弱者に残った最後の救いだもん」と話したら、
「あぁ~そういうことかーーー友香がいつも何を言いたいのか、やっとわかった」
と多くを語らずして友人がやけに納得したけど、
ゴシックに共鳴したり憧れたりする人は、この辺がキーなんじゃなかろうか。

精神および魂が強固であれ、肉体が比較的脆(もろ)い立場の者。
逆パターンでもいいですが、
ようは精神力と肉体力のバランスがうまく呼応しない、均等でない者にとって、
惹かれる世界があるんですよ。

紙書籍『黒猫ギムナジウム』(講談社ボックス)につきまして [ニュース]

『黒猫ギムナジウム』の本が、現在、品切れ状態です。

一週間ほど前に、アマゾンや楽天ブックス、丸善ジュンク堂などをはじめとし、
すべてのオンライン書店で入手不可能・在庫なしとなっているのを知り、
私に一抹の不安が。

数年前、日本SF新人賞受賞作の『黒十字サナトリウム』で、似たような状況になった時、
版元の徳間書店が私の本を断裁処分していた。
まさか『黒猫ギムナジウム』も同じ末路をたどったのか?

『黒十字サナトリウム』の時は、担当編集者も断裁処分について把握していなかった。
日本SF大賞の贈賞式にお呼ばれして出向いたとき、
担当編集者をつかまえて、かくかくしかじかなのだが、売り切れてるわけはないですよね? 
そう尋ねたところ、
売り切れるはずはない。え、在庫なし? 本当に? アマゾンが在庫を切らしてるだけじゃなくて?

販売部に問い合わせてもらったら、
本は市場に出回っている冊数しかなく、
版元が倉庫に保管しているすべてを、断裁処分にしていたのが判明した。
いくらなんでも見切りをつけるのが早すぎると思いましたが。
売上げの初動で、今後の採算を予測して、倉庫の場所塞ぎだと、見切りをつけられたわけです。

あとで『カンパニュラの銀翼』で、アガサ・クリスティー賞を受賞したとき、
それまでは私の『黒十字サナトリウム』を知らなかったが今こそ買って読みたい、
という読者の方々は結構おられた。
しかし一度は大量に断裁した本を再度重版するほど、出版社は採算度外視で本を刷ったりしない。
断裁した分もカバーできるだけの売り上げが見込めなければ、
版元にとっては重版するだけの帳尻が合わないのです。
今でも『黒十字サナトリウム』の紙の本は絶版のままです。

そのトラウマがあったので、
またか……またなのか~
かなりナーバスな心地で、版元である講談社に問い合わせました。

「講談社倉庫でも現在品切れとなっています」

完売したのか……!
売り切れたのか。そうか……良かった。

2011年、当時の担当編集者に「中里さんの本など出さないほうが、うちにとってはメリットなのが、わからないんですか。売れないとわかっている本を出す必要などありませんからね。黒十字サナトリウムも、初動が悪くて徳間書店で見切りをつけられて、断裁処分になってますよね」
という内容を(キレイ目に要約しました)メール等で悪しざまに言われ……。
編集者のミスで誤字脱字になった部分に、クレームを入れるも、
「それでは重版するときに、思う存分、直してください」(重版なんてなるはずありませんが)
という対応をされて、
私としては、
(すぐには売れなくとも、きちんと自分の信じる物語を丹精こめてつくれば、必ず手に取ってくれる読者はいる。なかには面白さを理解してくれる読者もいるはず。時間はかかっても、きっと)
そう信じていましたが、裏付けられるだけの実績がなかった。

断裁されてしまえば、届くべき人のところにいつかは届くという望みを完璧に断たれるので、
――おお、売りきれたのだったか……。胸をなでおろす。
良い本だと自分が信じた物語は、時間はかかれど、きちんと読者に届けられる、
「初動がすべて」
ではなかったのだと。

昨今、売り上げは初動がすべて、という考えが一般的に蔓延しています。
私の本のように読者を選ぶといわれる作品、シリーズものでなく一冊が長い単行本は、
初動が良くないので初版の刷数がものすごく少ない。
内容如何以前に、売りにくいから、版元はいっぱい刷りたくないんです。
同じ講談社の『みがかヌかがみ』は、『黒猫ギムナジウム』の半分の部数しか刷られていません。

『黒猫ギムナジウム』もこれまでの売り上げ動向などから、
現時点では、すぐには重版をかけられないとのことです。

黒猫ギムナジウム』は、クリーク・アンド・リバー社から、キンドルをはじめ電子媒体で出ています。
昨今は、タブレット端末の性能も上がってきて、かなり読みやすくなっていますし、
人によって生活スタイルは違う。
たとえば入院しているときに思いついた本をすぐさま読みたいとか、
長時間移動中に本を読みたいなんて場合は、
荷物にならないし、人に頼まずに調達できるので、タブレット端末で本を読めるのは便利かと。
いろんなオケージョンに合わせて、いろんな媒体で利用できるのは、捨てたもんじゃない。

ただ、本好きは物語が好きなのと同様に、本という質感が好き。
私自身、本は紙書籍で読めるのがベストな楽しみ方だと感じています。
それに、マイナー作家である私の本までたどりつき、最後まで読んで、好いてくださる読者は、
ほぼ間違いなく「本好き」ではなかろうかと。
だからできるだけ紙の本でお届けしたいと思っています。

一つ、楽観視できることと言えば、
現在の担当編集者は『黒猫ギムナジウム』をわりと好いてくださっている感触が。
重版したい、という思いは共通の意向としてあるので、その分、障害は少ないかなと。

丁寧に読み応えのある本をつくっていれば、初動は悪くとも、じわじわ売れる。
長い目で見れば、結果的に黒字になる。
中里友香の本はそういう売り方が通用するのだと、
そんな実績が一つできたと、分かってもらえたら……。
作者であれ、自分ではどうにもできない部分があるのですが、
再度、紙の本として入手できるようにしたいです。

ひょっとして、



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アンケートの結果発表!(当ブログ読者の世代) [ニュース]

一ヶ月前のブログの記事でアンケートをお願いしました、
結果を発表いたします!

10代 : 3%
20代前半 : 20%
20代後半 : 14%
30代前半 : 17%
30代後半 : 9%
40代前半 : 16%
40代後半 : 6%
50代前半 : 6%
50代後半 : 3%
60代前半 : 3%
60代後半 : 3%

年代別に割合を示すとこのような結果が出ました。
(ここにない年回りは投票が無かった。)

で、結果を割合順に上から表すと、

1) 20代前半
2) 30代前半
3) 40代前半
4) 20代後半
5) 30代後半
6) 40代後半/50代前半
7) 10代/60代前半/60代後半

……となりました!

思っていたよりも積極的に参加していただけた気がする。
みんなスーパースルーするかなあと危惧していたので、嬉しかったです。
漠然と想像していたとおりの部分もあれば、
数字できちんとデータ化されて出てくると、意外に思える部分もある。
とても参考になりました。
ありがとうございました。

そういえば、この一ヶ月間にブログのアクセス数が、
従来の3分の一くらいまで減ったのは、
更新しないことによって、巡回ボット系のアクセスが減ったにすぎないのか。
それとも実際にブログ読者が、更新がないせいで来なくなったのか、
そこんとこ、現状がちょっと摑めない。


このブログ始めて8年目にしてなんなんですが [ニュース]


http://bcrosssanatorium.enq1.shinobi.jp/vote_form/125184/
よろしければ、大まかで良いので年齢を教えてください。
ほんの通りすがりの人でも問題ありません。
自称○○歳とかでも御本人の心が痛まない範囲ならば当方とくに気にしません。

ただ正しいデータを取れたほうが、
ブログ上で「こんなの共通言語だよね」
「いやここは注釈をつけたほうが親切かな」
みたいな部分で、話をしやすくなるというだけの話だ。

基本的に一つのアンケートにつき、一回以上の投票はできない仕組みなってるかと思います。
アンケート掲示期間は、とりあえず9/9~10/9の一箇月としてみます。
一箇月後に結果を発表する予定です。
アンケート集計中は結果が見られません。
よろしく。


ついに出ます ~E・A・ポー~ 翻訳本 [ニュース]

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『E・A・ポー』 集英社ポケットマスターピース09(集英社文庫)
・ 2016年6月23日刊行
・ ISBN:978-4087610420

エドガー・アラン・ポー作品の集大成となる翻訳本。
集英社のポケットマスターピース09『E・A・ポー』
全部で次のような新旧訳者による豪華ラインナップで、このたび刊行となります。

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わたし中里友香も、ポーの代表作である詩『大鴉』と、短編『告げ口心臓』を翻訳しています。
「ポー訳者の末席に座すものです。微力ながら、末永く読まれるよう全力を尽くしました」
粟田口・前田藤四郎くん(刀剣乱舞)の台詞っぽく言える感じ。

解説やエドガー・アラン・ポーの年譜なども含め、総ページ832頁にものぼる密度の濃い文庫本。
見本が手元に届いた。
ぶ厚いよ!

わたしが『大鴉』と『告げ口心臓』を翻訳した際に受けた印象や、
一言一句を訳しあげたうえで当該作品をどう解釈するか。
私なりの見解や深読みをしたためた短いエッセー
やみのいろ
(講談社『メフィスト2015 VOL.2』「日常の謎」というコーナーに掲載)
こちら現在、講談社のウェブ上で無料公開となっていて読めます。
http://kodansha-novels.jp/mephisto/daily/55/

このエッセーが掲載された2015年8月当時は、
ポー翻訳本の刊行予定が2016年10月に先送りになった時でした。
2012年時点でお話をいただいて、翻訳作業を終えていた私は、
再三にわたって刊行予定が先送りになるたび、
こういう古典の翻訳って、ずいぶん気が長いプロジェクトなんだな~と
「長生きしないとやってられませんね!?」と目を白黒させたもんです。今となっては良い思い出だ。
のちに2016年6月と少し刊行予定が前倒しになって、今回、その通りに刊行と相成りました。

初校まではずいぶん前に終えていましたが、
再校と念校を終えたのはついこないだで、
その時にもけっこう手を入れたので、
冷却期間を置いて翻訳文を推敲しなおせたのは良かった。
期間分だけ翻訳の精度と練度がなお高まった。

ちなみにエッセー「やみのいろ」には『大鴉』『告げ口心臓』のネタバレがあります。
古典とはいえ一応、要注意。

ポーの翻訳本を、このエッセーと併せてお読みいただくと、
あるいはいっそう解釈の幅が広がったり深まったりして楽しめるかもしれません。

(ポーに関して思うところを一度で書ききると若干長くなるので、後日また補足アップする予定。)

→ポーの『大鴉』に関する考察的な①


『黒猫ギムナジウム』キンドル化 [ニュース]

いまから遡ること4年半前になる2011年12月1日に講談社BOXから刊行されました、
『黒猫ギムナジウム』
このたびクリーク・アンド・リバー社という電子書籍リーダー用に特化した会社の部門からキンドル化。
講談社Boxは帯の意味合いを兼ねたボックス(外箱)の中にソフトカバーの本が入っているという、
やや扱いずらい代物なのが特色で、
ゆえにデザインが特殊なのですが、
電子化にあたって、marucoさんの当時の装画を活かしたまま、デザインをリニューアル。
金箔風の背景をほどこした題字の字体など、気に入っています。
色も今回のほうが紙本の表紙よりも、本来あるべく色味で断然きれいに出ている気がします。

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書名:黒猫ギムナジウム
価格:900円(税込972円)
刊行日:2016年5月20日

この作品は初出の序章~第四章までが連載作品でしたので、
連載当時、第一~第四章の扉絵はカラー絵だったのです。
(実際は当初から一冊分を書き上げており、それを連載という形で小分けにして発表していました。)
第五章~八章を書き下ろしという形にして、一冊の本にまとめて出版するにあたり、
カラー仕上げだった第一~第四章のmarucoさんの扉絵もモノクロになっていました。

その扉絵部分も、今回marucoさんのカラー版で復刻です!
外箱に描かれていたラフ絵も、作品内にちゃんと収録されております。

元来、紙の本、大好きっ子の私なので、
電子書籍化するなら電子書籍化ならではのメリットや利点が加味されていないと、
おさまりがつかない。
(紙書籍では二段組みの体裁も、キンドル版はもちろん一段組で読みやすく。)

アマゾンKindle楽天Koboを皮切りに、紀伊國屋Kinoppyなどの電子書籍リーダーでも順次、読めるようになります。

電子化にあたり、単行本における誤字・脱字等を修正しました。
修正できる機会に恵まれて良かった。
というのも『黒猫ギムナジウム』での脱字は、意味が正反対に読み取れる脱字であり、
(詳しくは当時のブログ:http://blackcrosssanatorium.blog.so-net.ne.jp/2011-12-03-1
これは当時、初校も再校も終わった段階で、
当時の担当編集者に心無い変更を強いられ、
ぎりぎり妥協できる範囲まで、なんとか変更を加え、メールで伝えた部分のうち一箇所が、
編集者のミスにより脱字で反映された。
――という苦い思い出が。

この本の出版には他にも本当に苦労しました。
版元によって諸々の判断基準は異なるので、
出版社の指針とあれば仕方あるまいと、なんとか苦慮して対応した。
実際のところは講談社の指針でもなんでもなく、
当時の担当編集者が、私の表現方法に逐一ケチをつけたいだけだった。
……と、後々わかった。

私の小説を毛嫌いしていた人だったが、プロの編集者としての仕事は期待していた私も認識不足だったのだろう。
古いバージョンの原稿が校閲に回っていて間違って届いたりとか序の口。
ミスが多発するだけでなく、悪意もあった(この小説の一体何が面白いんですか、売れる実績がない作家の本を出すのに、なんで主張するんですか、と度重ねて言われたりと)、無益なストレスが多かった。

そういった点を含めて、細かい箇所まで、今回すみずみまできちんと思い通りに直せて、
やっと一区切りがついた思い。
といっても当時も体調を崩すまで粘り強く頑張って、試行錯誤のうえできるかぎり初志を通したので、
大体的にがっつり手を入れた部分はありません。
読者にとっては、微細な修正かも。

本当はこのあるべく状態で、紙本での文庫化を目指したいし、
できれば、今はもう講談社の担当編集者が変わっているので、
当時よりも良い環境で、ぜひとも続きを書きたい。

電子書籍には当然デメリットもあり、書体が明朝とゴシックの2種しか選べない。
紙の本で、怜士朗が白雪に宛てた手紙部分の書体などは、
キンドル版ではゴシック体になってしまったりと、惜しいところもあり。

『黒猫ギムナジウム』(講談社)は絶版ではなく、紙媒体の本がまだ市場に出回っています。
一般書店ではもうあまり取り扱われていませんが、
取り寄せあるいはネット書店では入手可能です。
やっぱり本といえば紙!派のかたがたは、
上記の誤字脱字等をやんわりを踏まえたうえで、
これを機に改めて紙書籍を手に取ってくださると、嬉しい。

追記(2016/7/28)



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デビュー作 † 黒十字サナトリウム † キンドル版・配信開始 [ニュース]

黒十字キンドル表紙.png
† 黒十字サナトリウム †

紙媒体で絶版となっていた『黒十字サナトリウム』がアマゾン・キンドルで登場です。
徳間書店からではなく、クリーク・アンド・リバー社の電子書籍に特化した部門から販売となります。
……と書くと、まるで徳間書店と袂を分かつ状態になったのかと勘繰られそうですが、
クリーク・アンド・リバー社から声をかけていただき、
徳間書店に快諾をもらって、キンドル化と相成りました。

笠井あゆみ先生が描いてくださった当時の表紙絵を活かし、デザインをリニューアル。
色味も、より原画に近い形で、出してもらっています。
笠井あゆみ先生が、私の物語を読みこんで細かいところまで描き切ってくださった華やかな絵に、
文字通りの黒十字をあしらって、
ゴシック小説であることが、以前より伝わりやすいかと。

徳間書店のSF新人賞受賞作の本は奇をてらった結果なのか、
カバー絵=帯という構造。
絵に宣伝文句が被って、
宣伝文句も見にくいし、誰が得するんだろうこの不思議デザイン……。

おそらく……といっても100%わたしの推測にすぎないが、
日本SF新人賞の創設された当初は、
これでも「斬新な」装丁であったのかもしれない。
でも次第にその新鮮さも損なわれてきて、
表紙なのか帯なのか実際のところ扱いやすさも、いま一つ。
一度は刷新することになったのではあるまいか。
だから、私の一つ前の受賞者の作品は、白い表紙で、一般的な書籍の形になったのでは。

ところがいきなり体裁が変わったせいで、
日本SF新人賞の受賞作を応援していた人たちから不評だったとか。
で、元に戻すことになって私の作品が刊行となったという流れかと思われ。

今回、電子書籍リーダー用に刷新するにあたり、
以前よりもデザインに自由がきいたおかげで、
『黒十字サナトリウム』紙書籍ではカットされていた、
ナースドリーの黒いくるみボタンが並んだ、白くカッチリとした袖口も、きちんと見えるように。

また、右下にいるマントの男の鞄(かばん)も入っています。
わたしは今回、初めて、表紙で切られてしまっていた部分を見るに至り……感動。
それまでマントの男が誰なのかずっとわからないままでいたのだ。
教授かな? アンテックなのかな? 誰なんだろう……

鞄を携えているなら間違いなくアンテック・ランセット、
第六章「絶望を罠にかける」に登場する哀れなアンテク!

『サイコパス』の槙島聖護が「紙の本を買いなよ」と口上をぶつそのずっと前から、
断固、本と言ったら紙の本だよと主張しつづけているわたしとしては、
正直、このたびのキンドル化に、当初は懐疑的だったのです。が、
笠井先生の美しい絵の隠れた部分を発掘できただけで、もうキンドル化する意味は見出せたと思っています。

もちろん、笠井あゆみ先生が私の物語の内容を逐一、的確に再現してくださった絵巻の全体像も、
電子書籍の巻末に、再録しています。
今のデザインだと、レイナの上半身と下半身が分断されてしまうので、
全体像でつながったレイナもきちんと見られる仕様にしました。

この絵、本のカバーの時には気づきにくいのですが、
ミシィカを取り巻くバラは白バラで、
レイナのところで、ほんのり赤みがさして、
湊や龍司あたりになるとローズ色に濃く染まっていくのですよ。

ミシィカとレイナ(もっといえばお母さまの少女時代)あたりは白だったのが、
吸血鬼の血の契約でどんどん赤く染まっていくという、なんてドラマチックな仕掛けだ!
(もっというと吸血鬼になっちゃった人には薔薇が、そうでない人には薔薇がない。)
薔薇一つを描くにしても、漫然と描かずに、物語の意味合いをこめてくださるあたり、
見れば見るほど凝っていて、
笠井あゆみ先生、心憎い。

電子書籍リーダーの利点としては、
背景色や文字サイズを変えられることです。
従来の電子媒体だと、本のページを画像として処理していたにすぎないので、
『黒十字サナトリウム』の二段組の、字が詰まっていて読みにくい体裁であることに変わりはなく、
おまけに紙の本でもないから、長編の読書に耐えうるものであったかどうか甚だ疑問。

そんなマイナス点が解消されています。

黒十字白背景文字大.png
《第三章》
背景白地・文字サイズ大きめだと、こんな感じ。

『黒十字サナトリウム』二段組よりも、
電子書籍リーダー版のほうが読みやすい……。
紙書籍派のわたしとしては、若干の敗北感を禁じえない。

でも槙島いわく
「紙の本を買いなよ。本はね、ただ文字を読むんじゃない。自分の感覚を調整するためのツールでもある。(中略)精神的な調律。チューニングみたいなものかな。調律する際大事なのは、紙に指で触れている感覚や、本をペラペラめくった時、瞬間的に脳の神経を刺激するものだ」

この点に関しちゃ、紙媒体に勝るものは無いが!

黒十字3章スクショ.png
同じ《第三章》
背景セピア設定で、文字を小さくするとこんな感じ。

画像処理とはちがうので、
文字を小さくすると、
改行位置はそのままに、文字が順繰りに詰まっていく。
字列の字面も変わります。
この仕様にするために、いろいろと手間暇がかかることを、
今回、身をもって知りました。

紙の本を専用の機械で読み取って電子化するのだが、
99.8%くらいの精密度なので、
何百万という文字がある中だと、相当な誤字が発生する。

《耄碌:もうろく》が、《毟碌:もうろく》となっていたり。
毟→むしる、ですから思いっきり誤字なんだが、
機械が似てると認識して、その手の誤入力をする。

《柩:ひつぎ》なんて、何ヵ所《枢》と変換されていたことか!
枢=枢機卿の枢、枢木スザクの枢。
枢は柩ではない、断じて。
物語の性格上《柩》という字が多いし、
紙にプリントアウトできない状態で、
これらを拾っていく作業は神経がすり減りました。
《瀉血:しゃけつ》が《潟血:しゃけつ》と記されていたりだとか、
挙げていったら、きりがないが、
すごい間違いが、しれっと平気な顔してまぎれている。
ルビは正しく振ってあるし、
人間の入力ミスとは違うので、
砂金から黄鉄鉱を見つけ出し、取り除くような地道な作業。

目を皿にしてチェックする過程で、
紙の原文に潜んでいた誤字に関しては、くまなく発見・訂正できました。

いっぽうで機械が犯した誤字・入力ミスに関しては、
(私のみならず入力オペレーターの人の目も、当然通しているのですが、)
誤字がすり抜けてしまっていないかどうか、
いまだ若干の不安は拭いきれません。

電子書籍リーダーで利用できる文字タイプが限られているため、
リーダビリティを考慮しつつ、文字下げにしてみたりだとか、
通常とは異なる、電子書籍リーダーならではの神経を使う局面がちょくちょく発生しました。

通りの瓦斯灯に青い灯が入ったとき.png
《第五章》
個人的には黒背景に白字設定が、一番読みやすい。
物語の世界観にもしっくり馴染む。

SF Japanに掲載された《番外編:逆十字入門》で、
笠井あゆみ先生に描いていただいた扉絵+挿絵2点も、収録させていただきました。
本の時にも入れられるなら入れたかったが、その頃はそこまで気が回らなかった。
たっての願いがかなって嬉しい……。

扉絵として再現できて、読者の方々も、きっと喜ばしいはずです。
雑誌掲載時にはタイトルや煽り文句が入っていたので、
笠井あゆみ先生に再度、原画を送ってもらって、クリアな状態で見られるようにして収録しました。

逆十字入門扉.png
(右クリック禁止)

実際は原寸大で見られます。

逆十字挿絵.png
(右クリック禁止)
わたしはこの挿絵が大好きです。

挿絵はほかにもあと一点あります。

Amazonキンドルを皮切りに、楽天KoBoなどでも順次、配信となります。
今回、電子化用にと声をかけていただいた折、
「紙書籍にもなんらかの好影響があるかもしれません。何もしないよりは」
というのが殺し文句でした。
いつか紙で再販を、せめて文庫化できたらという野望はいまだに抱いています。



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新作の単行本~みがかヌかがみ~明日刊行 [ニュース]

講談社から新刊の単行本が出ます。

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みがかヌかがみ

● 講談社/422ページ
● ISBN:978-4062197830

明日、11月10日に発売となります。
(お住まいの地域や、ネット書店の取り扱い開始日などによって、発売日に誤差があります。)

アマゾンの登録情報だと426ページとなっているのだが、
実際、本の最後のページにふってあるのは422ページなので、
これってどういうことなのかよくわからない。
ざっくり400ページ強という認識で良いのだけれど。

物語の本文が始まっているのは7ページからとなっており、
7ページまでには目次や化粧扉などが入っていて、
真っ白のページを差し引くと、目次やタイトルページを含めて419ページとかくらい。

426って数字は一体どこから出てきたのか……。
(あとがきもないしね。)

完結している一冊としては、今までで一番短い一冊です。
しかし編集部からは「長いですのでね」「長いですしね」と、たびたび指摘されるのであった……。
でもちゃんと一段組で収まっている。

今回、本の字面のレイアウトは選べたので、
かなり読みやすさを重視して決めました。
ページの端っこにふってある数字フォントがおしゃれ。
『カンパニュラの銀翼』の目次におけるページ表記の数字も大好きでした、
その数字フォントとかなり似ています(似ているけれど同じではない)。
数字がただ横に並んでるのではなく、組み合わせによって、
微妙に配列の仕方が異なってみえるようなフォントです。
ゼロを縦長の0ではなく、円い漢字風の〇に近づけてもらったりしているのが、
ささやかなこだわりの一つであるのです。
(周囲が横書きなら問題ないのだが、縦書きの場合は、丸っこいゼロのほうがしっくりくる。)

●・○・●・○・●・○・●・○・●・○・●・○・●・○・○・●・○・●・○・○・●・○・●・○・●・○・●・○・●・○・●・○・●

~内容紹介~

 大正時代、五月。
 月里見紗葵子(やまなし・さきこ)は茶道の名家を訪れる。
 訪れた家は天女目(なばため)姫の命で掘られた井戸を守り、姫の言い伝えとともに継承する一族――青天目家(なばため)家。
 昔、この地に井戸をもたらしたという、年端もゆかぬ天女目姫。聡明で峻烈な姫は、干ばつで苦しむ民衆に生贄を禁じ、かわりに井戸掘りを命じる。
 工事は難航し、民の怒りを受けて、姫は井戸の完成を条件に、人柱として命を絶たれる。

 死に堕ちた者が行き着く不来方(こずかた)にて、雨夜城(あまよ・きずき)が目を覚ましていた。
 自らの記憶と引きかえに刀を手に入れた彼は、死なせてしまった美しき天女目姫の奪還と救済に身を賭して挑む。

 生者と亡者、二つの世界がいびつに交差する。めぐり会い、別れ――比類なき因縁奇譚。

●・○・●・○・●・○・●・○・●・○・●・○・●・○・○・●・○・●・○・○・●・○・●・○・●・○・●・○・●・○・●・○・●

2013年2月号の小説現代に発表した中編『みがかヌかがみ』に加筆修正し、
このたび第二章、第三章を書き下ろして完結。
(その時のブログ→http://blackcrosssanatorium.blog.so-net.ne.jp/2013-01-22
http://blackcrosssanatorium.blog.so-net.ne.jp/2013-01-24

昨年2014年11月には一冊分に書きあげて編集部に渡していたのですが、
ようやく今秋、刊行に漕ぎつけました。

刀にまつわる描写がわりと頻繁に出てくるのですが、
ですのでけっして昨今流行のオンラインゲーム・刀剣乱舞に触発されたわけではなく(笑)
ゲーム開始前に、すでに書き上げていました。
かつまた刀剣乱舞のおかげで刊行に漕ぎつけたわけでもなく……
さまざまなスケジュールが噛み合わず、今に至りました。

とはいえ刀描写なんて、今まで喜んでくれる人がどれだけいるか、
自己満と言われればまぁ自己満……という感じだったのが、
今は刀剣描写や剣技描写やらに抵抗ない読者が増えているかもしれない。
とすると喜ばしいかぎり。

刊行までに時間を要しましたが、そのぶん完成度の高い小説に仕上がったと思っています。

装丁は、色合わせや絵柄の流れなどアンティーク着物風を意識したものに。

文芸色の強い表紙絵は、今回編集部からおススメされた、にしざかひろみさんの作品。
小説『みがかヌかがみ』の物語内に出てくる草花を、何層にもあしらってもらいました。
インクペンと水彩で描かれているはずですが、まるで銅版画のような趣に。
広げるとこんな感じ。現代日本画や屏風絵などの風合いと言いましょうか。

2015110921490000.png

今回の表紙の女性は、物語内の特定の誰かではありません。
いままで私の小説本の表紙に描かれる人物は、物語の主要人物でしたが、
このたびは英語でいうところのアノニマスやJane Doeに近い。
登場人物の要素をいくつか取り入れた、いわば誰でもないモナリザ的な女性です。

今まででいちばん発行部数が少ないです。お早めにお手に取ってくださいますよう――。

初文庫化『カンパニュラの銀翼』 [ニュース]

第2回アガサ・クリスティー賞受賞作、文庫化です。



『カンパニュラの銀翼』(ハヤカワ文庫JA)
http://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000012818/
535ページ/2015年9月17日刊行

文庫化にあたり、単行本における誤字・脱字等を修正しました。

以前、当ブログでも書きました、ラテン語のスペルミスもちゃんと直しました。
修正できる機会に恵まれて良かった。
また単行本で〈ウェーバーの法則〉と二回連続して出てくるところ。
等しい重さの二つの物体は小さいほうが重たく見えるという錯覚は〈シャルパンティエ効果〉なの……。
いずれも英訳版をチェックしていたときに発見したミスでした。
英訳版は4月に英訳チェックの初校を仕上げてから、
(……いやゲラで届いてないので、ラフのチェックか)
なんら音沙汰もないので、どうなってるのかわかりませんが、
はからずも今回の文庫化の予習として、逐一、細かく見直す良い機会とはなった。

文庫本と、単行本とは、字面の見え方がちがうので、リーダビリティが若干、異なってきます。
文庫本でも単行本と同じリーダビリティを保てるように、
改行位置や句読点を変更し、字面を調えたりといったような手は加えております。

文章字体の言い回しを変えることは、よくよくでなければしていません。
ごくまれに、やっています。
例えば、単行本では改行して、
「大丈夫だと元気なところをトミーに見せたら」
となっているシーン。
文庫本だと改行しないで、「大丈夫だと元気な姿をトーマスに見せてやったら?」

表紙絵を描いてくださったのは、単行本のときも魅力的な表紙絵にしてくださった、鈴木康士氏。
単行本の時とはまた違った趣の表紙絵となっており、必見。
文庫版の表紙絵、どなたにお願いしますかというお問い合わせが編集側からあったとき、
「……? 鈴木さんに決まってるじゃありませんか、いやむしろ鈴木さんダメだからこその、お問い合わせなのだろうか、NG食らったんでしょうか私」と、内心で動揺を覚えたほどで。
鈴木さんほど『カンパニュラの銀翼』のシグモンドをばっちり的確に表現してくださる人はまずいまい。

窓枠は封蝋のモチーフになっており、そこが個人的にものすごくグッときます。
色々なメッセージが紙片で届く、その幾枚かは封蝋で留まっていたにちがいなく、
そんなところを窓枠で再現とは、心憎い演出……。
何点かラフ画を拝見させてもらったのですが、
黒の背景に封蝋の窓枠を目にしたら、もうほかに迷う余地はなかったです。

この封蝋の中央十字のしつらえの、重厚感あるテクスチュアの格好よさ。
左上の窓の奥に、うっすらと見える風景が醸しだす距離感。
絵の中に吸いこまれそうな奥行きがある、とても素敵なカバー絵です。

黒いシックな背景と、窓の世界の色とを邪魔せぬよう、
封蝋の赤味を再現していただくにあたって、
「ドライトマトのオイル漬けのドライトマトの色くらいでお願いします」
という私の面倒くさい注文にも、
クリスティンがつけていたブローチの形、
そのとき着ている服のデザインに至るまで、
こまごまとしたところまで気を配っていただいております。

表紙絵のエリオットは、一見すると、私が思い描いているエリオットと違っています。
私のイメージでは、もう少しスラッとのびやかで、笑顔が優しく思慮深そう。
まだ荒削りの素朴さも残る、チャーミングな若い男。
ただのインテリじゃない、よく見ると、目の奥に野心的な光がチラつく。

この表紙絵のエリオットは、アンドリューの仮面をつけているときのエリオットです。
いつも伏し目がちで能面さながらの無表情を装っている。
正体を隠しおおして、内実では萎縮しているがゆえに、なんとはなしに、ぎこちない。
そんな頃のエリオットですね。

シグモンドの美しさは言うにおよばず……
単行本も素敵でしたが、
ヨーロッパ的な空気感は、文庫版の表紙絵のほうがいっそう濃く伝わってくるようです。



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日常の謎 [ニュース]


メフィスト 2015 VOL.2 (講談社ノベルス)

メフィスト 2015 VOL.2 (講談社ノベルス)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/08/06
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


本日発売の『メフィスト』 2015 VOL.2 「日常の謎」 という見開き2ページのコーナーに、
エッセイを寄稿しています。
作家自身がかねがね興味を抱いている題材にまつわる謎などを書くコーナー。
わたしはエドガー・アラン・ポーの翻訳をした際、遭遇した謎について、
やみのいろ
というタイトルで書いています。
116-117pに掲載されております。

一か所、
再校のときに書き加えた117p上段の≪等々≫の文字が意図していない太字になっております。
この≪等々≫部分は、改行一字下げしたつもりが、そのへんもうまく伝えきれておらず、
思ったとおりに反映されていなかった。
再校の段階になって新たに手をいれるのは、よくよくの修正点でもないかぎり、
あまり賢明でないとわかっているのだが(確認できないので)、
ついちょくちょく手を入れたくなる性分(それでより良くなる場合も多々ある)。

誤字脱字でもなく、内容に差しさわりがでるわけでもなく、体裁の問題なので、
ここで言わなきゃ、おそらく誰も気にしないレベルなのですが、自戒も込めてひっそり告白しておこう……。

内容は、謎について語るだけでなく、
けっこうあっさり私なりの答えを提示し解説を試みたりしているので、
トピックの性質上、ネタバレ要素もあります。
そこはネタバレというよりは、必要な情報として受け止めていただきたい。

1840年代に書かれたポーの短編や詩なので、
170年ほども経って今さらネタバレって言わないか。
「告げ口心臓」なんて「耳なし芳一」顔負けのネタバレ・タイトルだからね、原題がそもそも。
むしろ言わずもがな教養の範疇か……。

実際の翻訳本は、
このブログで告知したように、本来、今年9月に発表される予定だったのですが、
来年の10月に発刊が延期となったもよう。
わたしはとっくに初校まで仕上げてるんですが、
アンソロジー翻訳本ですので、
皆さん、多忙な方ばかりで、
ポーの和訳版の発表は後回しになったようです。

私は翻訳分野で新米だし、遅れられるはずもなく、
長編執筆を含め他のすべての仕事を後回しにしかねない勢いで、
気合入れまくって一人で結果的に場違いなくらい早く仕上げてたみたいで(笑)
張りきりすぎだったかな。

実際の翻訳本を読みこむ前の予備知識、
前情報といった感じで今回のエッセイに目を通していただけると、
あるいは倍、何層にもわたってお楽しみいただけるかもしれません。

追記(2015/10/5)



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誤字発見しました ○pœnis ← ×poœnis [ニュース]

いま第2回アガサ・クリスティー賞受賞作『カンパニュラの銀翼』の英訳原稿を、
せっせと英訳チェックしています。

訳者Matt Treyvaud氏の美しい英訳文は、細やかなごまかしのない文章で、
原文のニュアンスを一分も損なわず訳すことに専念しているのが伝わります。
(この訳者は夏目漱石作品や、萩尾望都作品を英訳しているそうです。)
ここは英語でこう言うのかあ、ほんとこの表現ぴったりだ……等々
わたしは、じっくり読みこみながら、しみじみしたり、感心したり、
知らない語彙に続々と出会ったりしています。

いっぽうで、訳者の文間までも読み取って訳する能力に長けているせいゆえか、
解釈の相違、先入観ゆえの誤訳? 
と、おぼしき部分もちょくちょく散見され、わたしは赤ペンを入れていきます。
おっと、ほおお、とか興味深く、読んでいる最中です。

また単純な意味の取り違えや、ニュアンスの解釈のふり幅が異なるとか、明らかな誤訳、
などにとどまらず、
けっして間違ってはいない、ただし作者のわたしからすると違う、これを意図していたのではない、
という箇所も出てきます。

たとえば、鏡台。
――クリスティンが鏡台の抽斗(ひきだし)にしまっておいた、
小鳥の剝製の小箱を取り出すシーン。
鏡台をmirror standと訳してあって、言語上、間違いではありません。

でも、ミラースタンドっていうと一般的にこういうの(画像)です。

いっぽう私が思い描いていたクリスティンの鏡台は、ドレッサーです。
上記のようなミラースタンドとは違うわけです。
なんでドレッサーという単語が使われていないんだろうか……。
調べると、イギリス英語ではドレッサーといえば食器棚を指すらしい。
アメリカではドレッサー=化粧台だと通じますが、
お話の舞台は英国ですから、ドレッサーじゃ駄目なわけです。

ではイギリス英語でわたしが思い描く、鏡つき化粧台は……というと、
dressing table (画像)になります。
そういった箇所も、手を入れていきます。

そんなこんなで読み進めていたら、原書のほうにミスを発見。
つまり わたしが書いた原文が 間違っている!
おおお(泣)

急ぎここで訂正いたします。
ラテン語が間違っています。
===========
(誤)poœnisと書いてますが、これ間違いです。
(正)pœnis
oが一ツいりません。
===========

うああああ。
pœnisは英語だとpainが派生語。
意味は英語だとpenalty、punishment、(figurative) executionとなり、
わたしは作中において《咎》と訳している単語です。

あとまたラテン語で
===========
(誤)deoreleonis
(正)de ore leonis
正しくは途中で二ヶ所、スペースがあきます。一つの単語ではない……。
===========

『カンパニュラの銀翼』に目立った誤字は無いと思っていたのに、面目ないです。
(……細かいところ、このルビは前に出てきた時点でも、ふっておけば良かったなあ、
などと気に掛かる些末な箇所はありますが、別に間違いという程のものではなかった。)

今回、気付いた箇所はラテン語で、ひょっとしたらバレない箇所だったかもしれません。
これまで読者のどなたからも指摘を受けたことはなく、
(むろん優しい読者が目を瞑ってくれた可能性は大いにある)
また校正もスルーだったわけですから、
しかし知った以上は言わないと気が済みませんでした。
ラテン語が得意なはずのあの登場人物が、スペルミスしてたなんて困る。
de ore leonisに関しては、筆記体の綴り字がつながってdeoreleonisと読めたとも解釈できるが、
pœnisに関しては言い逃れが難しい。

お目汚しで、すみません。

原書を修正する機会に恵まれましたら(増刷が出たりする機会があるならば)
その時に、必ず修正いたします。

……ショックでしたが、気付いてよかった。
英訳をチェックする機会がなければ、たぶん一生気づけませんでした。


連絡網2 [ニュース]

コードギアスのR2(2期)が30日までGYAOで無料配信中です。

この2期で完結するから、まだ見ていないひとは、見てほしい切実に。
1期を見ていなくとも、ついていける造りです。
(そりゃ細かいところは1期みないとわかんないけど、大筋はわかります。)

個人的に2期のほうが面白さヴァージョンアップだと思います。
1期はとにかくキャッチーですが、
2期は充分、寝かせて練った上で、話を複雑に広げていった感がいい。
一段、上のレベルにぐいぐい連れていってくれる面白さです。

相変わらず捨て回がない。
アニメにしろドラマにしろ、ちょくちょく捨て回はあるもんなんですが、
全話、おもしろい。
最終回はノックアウトだったなあ。
かいつまんでどの回をみたらいいのか、って聞かれたことあるんですが、
コードギアスについては、もういいから全部みたらいいさ。

コードギアス 反逆のルルーシュR2[B-ch] TURN 01 魔神が目覚める日
http://gyao.yahoo.co.jp/player/00066/v12954/v1000000000000017642/?list_id=1087139

今にして思うに谷口悟朗監督が素晴らしかったんですね。

ギアスと同じ脚本家作の、
ギルティウクラウンも、ヴヴヴも、
キャラデザはひょっとしたらコードギアスよりチャーミングかもしれないし、
題材もすごく似てるのに、
回を重ねるにつれて、収集つかなくなって、目も当てられなくなっていったから……。


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連絡網 [ニュース]

GyaO!の無料一挙配信で、9/20~26日まで、『コードギアス 反逆のルルーシュ:1期全25話』
やってます。
9/20~26日の間なら、好きな時間に好きなだけ無料で見られます。

コードギアス、興味あったけど見てない人とか、途中でやめちゃったとかいう人いたら見て。
頼むから見て……。

捨て回がないです。全話おもしろいです。
今回はハチャメチャ回だな……とか、無難にまとめた……とか甘く見て流していると、
最後にすごい展開が待ってたりするから!
すみからすみまで気が抜けなくて中身が濃いです。
ここ設定、無理があるよねまあいいけどアニメだし……なんて見積もってると、
実はすごい伏線であったりもするのですよ。

アニメに偏見がある人たちであっても、
これでどうだ、レオナルド・ディカプリオが、日本アニメで好きな作品をあげていて、
うち1作品が、この『コードギアス』ですよ!
ほら見たくなった、ね?

コードギアス 反逆のルルーシュ[B-ch] STAGE 1 魔神が生まれた日
http://gyao.yahoo.co.jp/player/00066/v12742/v1000000000000017109/
1話で《いきなりすごい力を手にいれた、巻きこまれ系主人公だな……》とか思ってると、
2話からとんでもなくなります。



“極東での若き日々” [ニュース]

[ “極東での若き日々” 中里友香・著]が、
小説すばる 2014年4月号(2014年3月17日発売号)に掲載中です。


小説すばる 2014年 04月号 [雑誌]

小説すばる 2014年 04月号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2014/03/17
  • メディア: 雑誌


読み切り作品です。

扉絵と挿絵は、2012年ミステリマガジン掲載の「人魚の肉」の扉絵や、
2013年小説現代掲載の「みがかヌかがみ」も描いてくださった、
小島文美さんです。

現物が手元に届いて、すぐさま私がやることといえば扉絵と挿絵を見る!であります。
雑誌の場合、原稿が書きあがり、装画を描いていただいて、掲載になるまで期間がすごく短い。
時間的に限られているので、著者と装画家とが絵の中身について、一切やりとりできません。
文字でつづった自分の世界観が、どのような絵として転写されるのか。
全幅の信頼をもって装画家さんに一任する。
今回、私は編集部から意向を尋ねられる前に、
「小島文美さんの装画が希望です」と、お願いをしてました。

で、仕上がった扉絵&挿絵は……。

すごい素敵です。
すごく好みです!

暗く抑圧された、頽廃的で秘めやかな空気の陰影が、目で見えて素晴らしい。
文字のみで原稿チェックをしたときより、作品の質と濃度が高まりました。
ヴァイオリンがね、描かれてあったらいいなあ……と、
そこはかとなく期待していたのである。
あとできれば灯○と、街○と、傷○の縫○と。
しかし全ては作品自体が語るのだから……と、要望は一切あらわさずにお願いをした。

しみじみ内心で得心のガッツ。……やったぁ!!

私は小島文美さんが描く植物がとても好きで、
いつもなんらかの形で植物を絡めて描いてくださっているのも、たまらなくうれしい。
今回も、とある意味深な植物が、効果的に配してあります。

話の内容は読み切りで、いちおう単体の物語として独立していますが、

・異形コレクション『Fの肖像――フランケンシュタインの肖像たち』に収録された「セイヤク」
・ミステリマガジンが初出で、のちに『リテラリーゴシック・ジャパン』に収録された「人魚の肉」

この流れをつぐ物語の3話目でもあります。

この日本の戦前を舞台にした、昭和ゴス的世界観の話、
毎度発表の間隔が一年以上あいている。
おまけに発表媒体、掲載してくださる出版社がその都度、ことごとく違うので、
別の話として認識している人も、ひょっとして、少なくないか。

「中里友香のこの話、既視感ありすぎ。いつも似たような世界観と登場人物! 以前も読んだ」
と思う人も出てきそうですが、
――似てるんじゃなく、それ同じ人物です!
似てるとかじゃなく、同じ物語です! 続いてるから、時系列だから!

今回はゴシック色はやや控えめ、文芸色が幾らか強めか。
今後もこういったかたちで、
独立読み切り形態で、この続きをぽつぽつあと3話くらい、書きたいなあ。
脳内で話は、ほぼできている。
こと結末に関しては、詳細綿密に……。

お手にとって読んでいただけると嬉しいです。

リテラリーゴシック・イン・ジャパン [ニュース]



日本の文学的ゴシック作品選、「不穏の文学」作品集とも呼ぶべき、
高原英理氏編の文庫本『リテラリーゴシック・イン・ジャパン』が、
このたび新年1月8日ごろ、刊行されて書店にならびます。
その中に、わたし(中里友香)作の短編『人魚の肉』が収録されております。

最初、筑摩書房から高原英理氏編の本に収録されるというお話をいただいたときに、

Ⅰ、黎明
Ⅱ、戦前ミステリの達成
Ⅲ、「血と薔薇」の時代
Ⅳ、幻想文学の領土から
Ⅴ、文学的ゴシックの現在

こういう流れで、ゴシック文学作品の変遷を感じさせる作品集となり、
私の短編は、Ⅴ「文学的ゴシックの現在」に収録される。
全部で40弱ほどのゴシック作品を文庫にする、というお話だったために、
5冊編成になるの……か?

と、全貌がいまいち見えてなかった。

見本が手元に届いてみて、わかったのですが、
一冊の文庫に集約されていています!
この一冊、ゴシックを抽出したエッセンスがずっしり凝縮されて、できています。

泉鏡花、江戸川乱歩、横溝正史、小栗虫太郎、中井英夫、渋澤龍彦……
まさに日本ゴシック文学先駆けってな顔ぶれが勢ぞろい……!
――かと思うと、
あなたの好きなあんな作家も、こんな作家も!
さまざまな作家の色とりどりなゴシック作品を私自身、これから読めるのが楽しみです。

わたしの『人魚の肉』は、ミステリマガジン2012年12月号~ゴシックの銀翼~という特集の時に、
掲載された短編です。

ちくま文庫に収録にしていただくにあたって、誤字脱字等、修正しました。
また、言い回しをほんの少しだけ、ごくごく若干、いじって直している部分があります。
こうしてヴァリアント(variant)ってやつは生まれるのか!

雑誌掲載は、ふだん私の作品を読まない人の目に触れえる絶好の機会なのですが、
時間のうつろいに流されて、あッつうまに入手困難、
あとあとになると、ちゃんとした状態で手に取るのは不可能になってしまう。
今回、ちくま文庫で、紙の本に定着していただけたのが、本当にありがたいです。

で、近々「リテラリーゴシック・フェア」というものを書店で展開するにあたり、
リテラリーゴシック的な自著を二冊以内で選んでね、と連絡をいただきまして。
私の本は言ってみれば全てがっつりゴシック小説。
それでも強烈にゴシック色、異端の色が濃いのはやはり、
『黒十字サナトリウム』*かなあ、
それからそれから……あれかな、これかなと考えだした時に、
「現在一般書店で手に入る本」
という注釈を見つけ、
崩れ落ちたのだった。

どの本を選んだのかは、年明けに書店で。

*



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寄る辺なき眠りの手前で壜を煮る [ニュース]

12月17日発売の『小説すばる(2014年1月号)』
129p「わたしの逃避術」という短いコラムの第3回。
どうやって現実逃避してますか、というお題をいただき、今回わたしが書いてます。

ある種、現実逃避が……お仕事だからな……お仕事の時点で非現実ではない。
ならば現実のことが……現実逃避に……え、え……?

映画を見る、ラルクを聞く、どれも現実逃避というより、大真面目に本気。
旅行も息抜き以前に、かなり本気で挑んでるし。
たまの旅行は非日常であれ非現実だと思ったことはないしなあ……。

どの程度の逃避が現実逃避としての頃合いか……決まりきった生活パターンに従順で、
そのルーティンを断ち切るような変り種の奇行、というならば私の生活パターンは……
一体なんぞや……

と、自分の暮らしぶりに二~三日、頭を抱えたりして書きました。

『コンチェルト†ダスト』本日刊行 [ニュース]

中里友香の新作が、早川書房より本日9月20日刊行です。
お近くの書店や、ネットストアなどで発売。
(お住まいの地域によって、発売日が変わることがあります。)

ConcertDust_obi.jpg

装画は漫画家の藤原薫さん。
表紙の人物は、作中から抜け出てきたようです。

表紙絵を描いていただくにあたって、どなたか希望のかたはいますかという編集部の問いに、
「藤原薫さんで!」
わたしは全く迷いがなかったです。

下絵を一度拝見し、
場合によってはその時点で、ああしてほしいとか、こうしてほしいとか、
いろいろ注文を聞き入れていただくこともあるのですが、
藤原薫さんには、ほぼ丸投げ状態でお願いしました。

白黒の鉛筆画(?)の下絵を見せてもらった時点で、
ああ大丈夫だわ、私が伝えたかったニュアンスを的確に完璧に抽出していただいている。
とやかくお願いするより、藤原さんのセンスに任せたほうが絶対うまく描いてくださる、
という確信がありました。
実際、とても素敵な表紙絵となりました。

わたしは最初データで絵をいただいたのですが、
拡大してもすごくきれいな描きこみと色の載せかたで、
まさに画集クオリティ!

左側はエミール。右側はユリアン。
裏表紙にはリオネラという女性がおります。

どの人物も本当に素敵。
とくに私は表紙のエミールの姿がお気に入りです。
作中で描写したひとつひとつ、ふんわりとした髪とか、睫毛のきわまで完璧に再現されて、
体温までほんのり伝わってきそう。
もうね、エミールの毛先にやわらかくにじむ色合いとか、
睫毛の影とか、どれだけ拡大して凝視したかしれませんよ! わたしは!

ユリアンの、遠くを一途に見つめているような目線も、大きめな手も!

裏表紙のリオネラは、私が思っていたよりも一見すると幼げで、素朴かなという印象でしたが、
(……ときどきそんな可憐さも垣間見せる、魅惑の女性なのです)
よく眺めれば、うつむきがち……伏し目がちに流し目して何事かを企んでいるような趣も、投影されているのです。


☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆



『コンチェルト・ダスト』
中里友香・作
藤原薫・装画

――内容紹介――

命の恩人が殺人鬼 × 命の恩人が命取り

血と報復のコンチェルトが満を持して幕を開ける。

☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆

コンチェルト・ダスト(アマゾンのリンク)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4152094028

早川書房・書籍詳細
http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/112580.html

☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆

ちなみに『コンチェルト†ダスト』のダストは、
「ごみ?」
と、或る人に言われて愕然となったんですが、
スターダスト(=星屑)
とかと同じ、ダストです。
『Dust in the Wind』(by カンザス)とかと同じダストです。
聖書出典の慣用句…ashes to ashes, dust to dust
…のダストです。

目次や章扉なども、時間の許す範囲で作品の世界観にできるだけ近づけていただきました。

ぜひ、実際にお手に取って読んでいただけると嬉しいです。



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ふわふわ [ニュース]

9月の下旬に早川書房で新刊が出る予定です。
出るとしたら、もうちょっと早く本が出る予定で進めていたつもりでいたんですが、
なんかいつの間にそういう仕儀になったらしいかんじで、
来週の中ごろには初校チェックに入れるようですから、
たぶん、今後はこの予定で順調に大丈夫なんじゃないかしら?
ただなにぶんこのあたり、私の裁量で決められる部分は基本的に皆無なので、
公式発表とかではなく、あくまでも、ふわっとした予定で、
ふわっと記憶にとどめておいていただけると嬉しいです。

こういうふわふわな話をすると、サラリーマンの知人友人身内などは、
えっ!?
契約書とか前金とかないの?
とか色々驚きあそばすようなのだが。ないです。
契約書とやらは本が実際に刷られて市場に出回って一箇月くらいしてから初めて、
刷数の通知と印税は何%ですよ、という紙のやりとりをするのであって、
本が出るまでは何一つ、確証はない。
ひたすら作品の登場人物達を信じて進めていく感じです(私はね)。

逆に言うならば、なかなか書けない売れっ子作家がいるとして、
書きあげられないからといって、
違約金が課せられたりはしないシステムなんだと思います。まずはとにかく作品ありき。
みんなやっぱりなんだかんだいって作品への純粋な原動力があるからこそ、
せっせと書くんだと思います。

今年は猛暑らしいこの夏に、
じっくり読書とか、いささか酷なんで、
彼岸を過ぎて、夜が長くなる9月下旬に私の新刊が出る予定に(ふわっと)あいなり、
結果的には良かったかな~♪と、個人的には思っております。
待っててくださいね☆

レンザブローはカワウソの個人名らしいよ [ニュース]

集英社 WEB文芸 レンザブロー
http://renzaburo.jp/interview/014/
インタビュー 中里友香

載りました。興味のある方は読んでみてください。

このインタビュー、本当に対面式で執り行われました。
(つまり、紙面上でやりとりしたものがインタビュー形式で載るのではなく。)

場所はHARBSというケーキ専門カフェで、
平日の昼下がりだったのですが、なぜか激混み。
その日は雪もチラついて寒かったせいで、
みんな昼下がりに暖をとりたくなったのか? 
満席。そのお店のすみっこで、みっちり話しました。

想定問答のようなものは事前にまったくなく、
インタビュアーの方の人となりに合わせて、
自分があけるひきだしも、引き出していただく部分も、
いい意味で行き当たりばったりで、新鮮でした。楽しかった。

漫画の話とかで盛り上がったりして。
また、太宰治の『皮膚と心』について、
頼まれてもいないのに、
「えっとですね、まずある女の人が~」
一から十まで嬉々として語りべするわたくしめ。

世間話をするように、好き勝手におしゃべりさせていただき、
……だ、だいじょうぶかな(記事になりうるのか?)
要所要所をきちんとさらった記事にまとまっていて感激しました。

『カンパニュラの銀翼』をきっかけに、
中里友香の作風が掘り下げられていく感じだったので、
作品傾向全般について語っております。


『黒十字サナトリウム』文庫化の行方と、電子書籍化 [ニュース]

徳間書店がSF大賞の後援から完全撤退して、
SFの分野から手を引いたといえる今、
私の『黒十字サナトリウム(日本SF新人賞受賞作)』が、
徳間書店から復刊されるなんてことあるはずもなく。
徳間書店から文庫化されるかもしれないという希望的観測は、
現時点、むなしいものであると宣告を受けました。

もともとヒットを飛ばせなかったから絶版になったのであって、
(それでも1年ちょっとで絶版とはまれにみる短命の憂き目でしたが)
恨み言をこぼせば、天に唾するのと同じ。

ただ、文庫化を待ってくださっている皆様には本当に申し訳ないです。

第2回アガサ・クリスティー賞を獲れた今ならと、
わたしも淡い期待を抱いていましたが、
ひとえに私の力不足で、すみません。
わたし自身、残念です。

ささやかな朗報としまして、
『黒十字サナトリウム』は、電子書籍で読めるようになったそうです。

この電子書籍、ユーザーフレンドリーで、
アイフォンでも、アイパッドでも、MacのPCでも、ウィンドウズのPCでも……、
ほかにもなんかいろんな機種とアプリで入手可能らしい。

アマゾンのKindleにも、ちかぢか登場予定だとか。
(Kindleはファイルタイプが特殊らしく、出遅れているらしい……。)

私は、紙のページをめくりながら本を読む感触を愛しているのではありますが。

――それゆえ『カンパニュラの銀翼』も、
カバーをはいだ本体などいたるところまで、
できる範囲で、贅をつくしてあります。
  
表紙が顔であり、物語が内面だったら、
カバーを外した本体は、脱がして裸にするみたいな感じ?
(で、『カンパニュラの銀翼』は、すてきな帯をほどき、美麗なカバーをはずし、脱がしていく悦びに溢れている。)

人によってはそういうの頓着しないし、
本格的に好き嫌いを左右するのは内面だ。

でも、おしゃれな下着姿とか美しい裸のほうが、
そりゃあテンションが上がるというか、ちょっとだけうれしくないか?
そこにプラスアルファの喜びや、トキメキや、各人らしさが出るじゃんか……。
電子書籍は、脱がす醍醐味を断たれるというかね?

でも古本が、法外な高額で取引されたり、
あるいはたたき売られたりするのを、
何もできず見ているよりは、いい。
心から本を読みたいと思っている読者に、想いが適切に届かないよりは、ずっといいです。

最近は電子書籍も進化して、
読みやすくなっているようなので、それがせめてもの救いか。

もちろん今後も機会があるかぎり、
紙の本としての復刊(文庫化)を目指していきます。

(以下2013/10/13日補足情報)=========================
現在購読可能な電子書籍媒体。

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紀伊國屋書店ウェブストアKinoppy
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上記をクリックすると、各e書籍書店の『黒十字サナトリウム』のページに飛びます。

価格はどこでも一律で、それぞれ利用できるアプリやプラットフォーム、端末に特色があるもよう。


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徳間がSF大賞から全面撤退 [ニュース]

3/1は日本SF大賞の贈賞式で、東京会館に行ってきました。
大藪春彦賞と、日本SF大賞の贈賞式。

かつては徳間3賞と言われていました。
日本SF新人賞も合わせて3賞の贈賞式が催されていたのが、はや3年前になります。

招待状を忘れたわたしは道中で気づいて、
(まあ・・・・・・名乗って素性を明らかにしたら、入れてはもらえるよなあ?)
気もそぞろで電車を乗り換えたら、
地下鉄に乗ったのにいつまでも地下に潜っていかないというのは、どういうこと?

まさかの、乗り間違え。
神経をはりつめていないと、まともに生きられないのか私は!
不慣れな駅で、なじみのない電車を乗り継ぐ。

使い慣れない有楽町線で、有楽町へ。
東京会館に直通するのは、日比谷駅です。
有楽町から日比谷駅まで、千代田線に乗りかえましょう。
ずいぶん歩いて改札に入ったら、
『日比谷』

おや?

「あのう、この駅はひょっとして日比谷駅なんですか?」
面喰っている私に、駅員さんも慣れたもんでSuicaの精算をしてくれ、(直結してた)
一駅分、通路を行ったり来たりして、目的地にたどりつきました。
***

式典には無事に入れて、お祝いお喜びムード満点・・・・・・
かと思いきや、
徳間書店SF完全撤退のお知らせ。

『新世紀エヴァンゲリオン』とか、萩尾望都の『バルバラ異界』とか、
本にかぎらずいろんな分野における、もっともすぐれたSFの大賞を、
という画期的な賞だったから33回も続いたんだと思うんですが、
いきなり終わっちゃうのか!?

日本SF大賞はあくまで日本SF作家クラブが審議し、授与してきているので、
賞の母体はなくならない。あらたに後援を見つけて存続可能だし、
すでにその動きはあるようです。
(今後日本SF大賞の様相がガラリと変わることは間違いなさそう。)

こうしてみると、
2010年3月に日本SF新人賞が廃止。
2011年3月にSF Japanが廃刊。
徳間書店は着々と日本SF大賞完全撤退までの布石を打っていたのだなあ。

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継承『みがかヌかがみ』 [ニュース]

『みがかヌかがみ』(中里友香・著)が、
小説現代(講談社)2月号(2013年1月22日発売号)に掲載されています。


小説現代 2013年 02月号 [雑誌]

SF出身の作家が3代にわたって「継承」というテーマで書くという特別企画。
神林長平さん、瀬名秀明さん、んでもって中里友香(わたくしめ)が、
それぞれ思いおもいに、みっちり中編150枚を書いております。

私の『みがかヌかがみ』は、案の定といいますか、「いわゆるSF色」は薄いと思われ。
日本のレトロな世界で展開します。

中編150枚がどのくらいかの目安として、
たとえば、先日発表したわたしの短編、
『風切り羽の安息』59枚
『人魚の肉』60枚
・・・・・・こんな感じなので、けっこう長さがあるかと。

扉絵と挿絵は、ミステリマガジン掲載の『人魚の肉』の扉絵も描いてくださった、
小島文美さんが!
今回『みがかヌかがみ』を担当してくださいました。
た・の・し・みだ!

まだ現物が手元に届いていないので、
どんな扉絵と挿絵を描いてくださったのか、
楽しみすぎて、
今日、郵便箱を何往復してチェックしたかわかりません。まじで。

現時点で手元に来てないってことは、
郵便配達がお隣に入れちゃってお隣が「家に来てましたよ」的なことでもないかぎり、
今日、確認するのは難しいかと思われる(泣)
こんなことなら近くの本屋に行っとけばよかったなり・・・・・・。

ちなみにタイトルの『みがかヌかがみ』
既にお気付きの方も多いと思いますが、有名どころの回文になっています。

お手にとって読んでいただけると嬉しいです。

10/25発売ミステリマガジン12月号 [ニュース]

10月25日発売号のミステリマガジン(2012年12月号)に、
わたしの伝奇短編『人魚の肉』(扉絵・小島文美氏)と、
『風切り羽の安息』(扉絵・鈴木康士氏)の2作が同時掲載されます。

1冊の雑誌に2作も掲載してもらえるのなんて初めてで、忙しかったけどやれてよかったです。
『人魚の肉』は、異形コレクションFの肖像に掲載された『セイヤク』風のテイスト、和ゴス。
異形コレクションFの肖像の挿絵を描かれていた小島文美さんが扉絵を。

『風切り羽の安息』は英国もの。
第2回アガサ・クリスティー受賞作『カンパニュラの銀翼』のスピンオフ短編で、
鈴木康士さんが扉絵を。
拝見するのが今から楽しみです。

かつてL'arc-en-cielが、シングル2枚同時リリース、3枚同時リリース、
アルバム2枚同時リリースとかいうのもやって、
ヒットチャートに『Honey』と『花葬』と『浸蝕-lose control-』が3曲同時にベスト10入り、
私はそれをきっかけにラルクを知った。

私もやれるならラルクみたいに、短編複数・長編同時リリースとかやりたいよ!
と憧れていたので、
「短編2作を1冊の雑誌に同時発表なんて、バラして出せばいいのに」
と思われるかもしれないが、
私的には、2作載せましょう、と話が運んだとき、

よっしゃ! ラルクみたい!

そう勝手に勢いづきました。

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ミステリマガジン2012年10月号 [ニュース]

発売になりました。
第2回アガサ・クリスティー賞の選評とあわせて、私の受賞コメントも掲載されてます。

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第2回アガサ・クリスティー賞 [ニュース]

受賞しました。
『カンパニュラの銀翼』
詳細は追ってのちほど♪
いつもこのブログを読んでくださっている皆様にとり急ぎ速報をば御報告を!

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メールアドレス復旧しました [ニュース]

ホットメールの当該メールアドレス復旧しました。

送信履歴を見たら、6/28~6/30に、4ページにわたって、
フランス語と、
あともっぱらイタリア語?スペイン語?(残念ながらこれら言語が私はよくわからない)外国語で、
スパムメールを撒いている形跡が……。

こわっ!

原因は、パスワードが抜き取られていたかららしい。
パスワードを別の言葉に再設定したら、復旧しました。

復旧方法の段階で、今回一つ、しくった……のが、
「代替メールアドレスを入力して、携帯メールのアドレスもついでにおしえてね」
的なホットメールの通知ページを、これまでおざなりに放置していたことです。

「あなたがパスワードを忘れたときに、パスワードを再設定できるURLとか教えてあげるから、
その送信先を教えてくださいな」
ってことなんだけど、
……おいコラなめてんのか、こちとらこのアカウント10年使ってんだ、いくらなんでもそのパスワードを忘れるときは、このアカウント自体を忘れてるアレな時だぞ、面倒を言ってくれんな、
とか思っていたんです。

再設定URL送信のアドレスが、今は持っていない古いメアドのままだったものですから、
復旧方法が思いっきり「……?」という事態に陥り、手間取った。

パスワードを失念しなくとも、こういう事態も起こりうるから、必要なセイフティネットだったのね。

パスワードを抜き取られた件に関しては、私の三次元の身の回りに、犯人は思いあたらない。
抜き取られたというより、ネット上の住人に、パスワードを当てられちゃったんだと。

私のパスワードは英単語でした。
辞書に載っている英単語として存在する。
これって、おそらく英単語botみたいので、辞書にある単語をパスワードにザーッと流していけば、カチッと当てはまっちゃうわけですよね。
数字を組みあわせればセキュリティに強いのは知っていた。が、
もう私は、あれやこれやのパスワードにがんじがらめでね……。
(今どき、ほとんどの人が、みんなそうだと思うんですが)
どれがどれやら……ごったがえして、しょっちゅう再設定したりで、辟易していたので、
今まで何もなかったし、いまさら変えなくとも……と思っていたのでした。

数年前、Sちゃんというしばらく音信の途絶えていた友人から、
いきなり何通もしつこく「バイアグラ買いませんか」という英語のメールが届いて、
買わないよ? 私が女なの忘れちゃったの?
……というかなんでスパムメールを私によこすんだろうなんの恨み!?
と思って削除してたんですが、おそらくSちゃんも私と同じような事態に陥ったかと思われる。
今回、私の送信履歴は、すべて私の全く知らないアドレスにむけて、
どこぞの外国に送られている記録だったので、
変な話、不幸中の幸いで、ちょっと安心しました。
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メールアドレスが使えません [ニュース]

いきなり本日6/30(土曜日)、ホットメールの私のメールアカウント、
**c*******n@hotmail.com
が使えません。

第三者が不正アクセスしてスパムを大量に撒いた可能性があるので、アカウントを凍結している

と出ます。なに!?

昨日から、フランス語の短文スパムメールが10通くらい届いており、
すべて、添付ファイル付きで、
Mail Delivery Failureとかいうタイトルだった。

アイフォンが安く手に入りますよ的なフランス語だった気が、
……日本はアイフォン購入規制がきびしい国とかじゃないので買いたきゃ買えるから……
つかアイフォンあんまり好きじゃないから……。
ぜんぶJUNKにぶちこみ、当然添付は開きもせず、淡々と削除していたのだが、
それが関連しているような気がする……。

この手のジャンクメールは全く来ないのがホットメールのよいところで、
フリーメールでは重宝して使っていたのに。
(yahooのアカウントってすごく来ませんか?)
どういうこと……。

私は個人メールアドレスを、7アカウント持っており(携帯除く)、
こういうときのためのリスク分散に、使い分けているつもりなのだが、
もっとも多様して、名刺にも使っているこの仕事用のメアドが使えないのは、大変困る……。

というわけで、
**c*******n@hotmail.comが、しばらく使えません。
凍結解除を試みるも、うまくいかない……。
お手数ですが、お急ぎの方は携帯のほうに連絡ください。
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To Be or…… [ニュース]

アマゾン中古『黒十字サナトリウム』の相変わらずこの強気な価格設定はなんなのかしらー。
そう、思っていたんですが、
どうやらジュンク堂に残っていた新品本が最後の一冊まで売れてしまったからなようです。

で、復刊ドットコムをチェックしてみましたら、出てきましたよ。
『黒十字サナトリウム』のリクエストページ。
もしもよろしければ、こちらから投票リクエストに一票を投じてやってください。

復刊ドットコムのシステムがどのように働くのかは、よくわからないので何も確証はないのですが、
「今どうやったら新品本で(まともな価格で)読めますか!?」
という嬉しい困っちゃうメッセを下さるかた、
復刊ドットコムの『黒十字サナトリウム』のページに投票してくださると、
ひょっとしたら新品本で読めるときがくるかもしれないです☆
……こないかもしれないですけども。

http://www.fukkan.com/fk/VoteDetail?no=54220



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脱字があります@黒猫ギムナジウム [ニュース]

版元側の入稿ミスで、脱字を一個見つけて、凹んでます。

p376 上段左から5行目

「画一化の抵抗」

→正しくは「画一化への抵抗」です。


「先生の抵抗」と「先生への抵抗」では、意味が正反対であるように。
「あなたの抵抗」と「あなたへの抵抗」では、抵抗する側が逆であるように。
思いっきり正反対の意味になっちゃってます。

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